今年の大河ドラマは平清盛なんですね、知りませんでした。。(^_^;)
きっとこの1年はいろんな場所で清盛の名を目にする機会が増えるのでしょう。
さて、私は日本史が好きですが、その関心のメインは古代史です。
縄文、弥生、古墳、飛鳥、プラス奈良、その辺りです。
この何とも興味深い日本という国が一体どういう経緯で成り立ってきたのだろうか。
日本史に興味を抱く根本的な理由は、その1点に尽きます。
プラス、もうひとつ大好きなテーマとして、類まれなる先見性、合理性、行動力を持ったリーダー 織田信長 がいます。
さて、そんな中で、改めて「平清盛」と言われると、瀬戸内沿岸で生まれ育ったこともあり、厳島神社の存在や、教科書における平家紹介の舞台が瀬戸内海であることなど、平家については、実はそれほど悪いイメージは抱いていませんでしたが、ともかく、自分の日本史知識から、すっぽりと抜けている部分だということに気づきました。
よくよく考えてみると、藤原氏が勃興し栄華を誇った、飛鳥後期、奈良、平安という長い長い時代から、武家中心の権力を形成した鎌倉時代に変わった時期というのは、かなりドラスティックな変化があったわけで、そして、まさにその時代に、自分の知識としては、唐突に表舞台に現れ、そして風のように消えて行った不思議な存在として、平家がいたのでした。
なるほど、これは知るに値する話題だぞ。
そう思って、まずはさっと読める1冊をと思い、この本を手に取った次第です。
(前置きが長い!)
『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』(山田真哉、講談社、2011)
- 作者: 山田真哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『ミリオンセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者が、平家滅亡と通貨政策の因果関係を説く』とのことで、この本は、ざっくり言えば、平家の勃興と滅亡を、経済を切り口にして概観する、という内容でした。
短時間でおもしろく読めて、そして信長に通じるような人物像を感じることができ、もっと平清盛のことを知りたい! そう思わせてくれる良書でした。
如何にして経済力をつけるか、というのはいつの時代も最重要なテーマだなとここでも再確認。
信長の旗印は永楽通宝であり、この人も経済の力を利用し尽くした人だと思っています。
単なる怒りっぽい豪傑の人ではなく。。
どかんと飛び出るためには、既存のルールを破壊するような新しいルールを生み出し、そこの覇者となることが重要で、それは直近の有名な例でいえば、Google。
平清盛は、日宋貿易を突破口にして、貨幣経済という新ルールを成り立たせることで、その位置についたのでした。
しかし、まだまだ社会基盤も脆弱な、ある意味古代に属する社会においては、そのルール上で磐石の基盤を作るには時代が早過ぎたのかも知れません。平家の大出世を支えたそのルールが、同時に早過ぎる平家の滅亡を誘ったとは、皮肉な話です。
そういえば、平家のルーツを少し遡ると伊勢にあるというのは初めて知りました。
信長の父親もあそこで経済基盤を成したわけで、伊勢湾を中心としたあの地域は不思議な土地だなと改めて思った次第。