kiritterのブログ

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個人の継続的な成功について - 書籍紹介 - 最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

手元の本を差し置いて、昨年読んだ本を取り上げるなどする。。

 

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
(マーカス・バッキンガム(著)、加賀山 卓朗(翻訳)、日本経済新聞社、2006)

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

 

この本を手に取ったのは、半年くらい前のこと。
そして、実は、全部は読んでいない。。(^_^;)
というのも、最初からすべて読むつもりはなかったのだ。
じゃあ、なぜ手に取ったのか。

 

第Ⅰ部 組織の継続的な成功について あなたが知らなければならない たったひとつのこと

第Ⅱ部 個人の継続的な成功について あなたが知らなければならない たったひとつのこと

 

本のタイトルである、リーダーとマネジャーについては第Ⅰ部で述べられている。
当時私が飛ばしたのはここ。
そして、読んだのは第Ⅱ部。
当時自分が考えていたことと同じような話がここに書かれているらしいことを知り、
その内容を確認したかったのだ。
その結果、自分の考えよりも磨き上げられた、本書の言葉を知るに至った。

 

というわけで、今回のブログ内容は、本書のタイトルには表れていない、
その第Ⅱ部にまつわるものだ。。

 

 

最初に、著者の主張する、そのたったひとつのことを引用する。

自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめる。

たったひとつのこと、というだけあって、超シンプルで骨太。
もしかしたら、拍子抜けする人もいるかもしれない。
逆に「”現実”はそんなに甘くないっ!」って即座に拒否反応を示す人もいるかもしれない。。

 

とりあえず、この言葉は、非常に取り扱いの難しい言葉だと思う。
「単に嫌なことを避けるための免罪符」として乱発できるからだ。
なので、この言葉だけを単独で切り出して誰かに伝えるのは恐ろしい。
本書における長い長い説明はそのニュアンスを伝えるためにあるのだと思う。

 

 

さて、思い返せば入社2年目の後半のことだ。
当時のいろいろな事柄の兼ね合いの中で、それまで自分が希望し携わっていた業務とはかけ離れた、全然参画を望まないプロジェクトに参画することになった。
立ち上がり時にもろもろあったものの、最終的には役割を全うすべく覚悟を決めて邁進したのだったけど、ともかく、そんな日々の中、久しぶりに会った先輩に、私はこうこぼした。
「最近、いろいろ悩んでいるんですよねぇ・・・」
前述の、それまで自分が希望し携わっていた業務、のチームの先輩だ。
その期間、私には悩みなどなかった。
何しろ、自分が志望するものだったので、ただ希望に燃えて打ち込んでいたのだった。
ともかく、そのとき先輩はこう言った。
「いいことじゃん!」
思わぬ返答に「全然いいことなんてないですよ!」と返したのだが、
先輩はこんな感じのことを続けた。
「悩むということは、それまで自分が知らなかった事柄に直面しているということだ。
 それに対処することで自分の幅が広がる。成長するとはそういうことだ。」
私「!!」 

 

これだけだと、自分が超単純な人間に見えるけど。。(^_^;)
ともかく、いろいろな文脈の中で葛藤していた当時の私には、
なるほど!と深く得心する会話だったのだ。
そして実際、そのプロジェクトで多くのことを体験し、何よりも、殻をひとつ破ることができた。

 

その後もいろいろなプロジェクトでいくつかの役割を変遷しつつ業務に携わってきたが、
このやり取りのことがずっと、意識的にしろ無意識にしろ、土台にあったと思う。
悩む状況になるのは歓迎することだ。
何しろ、これを打ち破れば成長するよ!という壁が、
うまい具合に目の前に提示されているということだからだ。

 

 

さて、そんなやり取りをしてから随分年月が過ぎたある日、
その後の転機となったプロジェクトが唐突に始まった。

内容には触れず、当時の心境にだけ触れるが、
とりあえず、やっているときはそれまで同様、無我夢中の日々だった。
悩んだりする時間など無かった。
それに、誰かの心の折れることが怖かったので、意識して、ポジティブな言動を心掛けた。
(とはいえきっと自分にも言い聞かせていたのだろう。。実際、言動は気持ちを変える。)

 

いろいろなことがあったけど、そこはすべてスルーして、
ともかく、すべてが何とか収束して終わろうとする時期に、
時間的にも心理的にも少し余裕ができたときに、ふと気づいてしまったのだった。
「これ、全然楽しくないな・・・」ってことに。

 

キツイプロジェクトはたくさんあったけど、全然楽しくない、そんな風に思ったのは初めてだった。楽しくないというのは、おもしろ可笑しくないという意味じゃなくて、ぼかしてざっくり言えば、自分が価値を見出せない作業、それが良いとは思えない進め方、それらに伴う現場の夢と情熱の無さ、そういったことに、自分の気力、体力、睡眠時間をひたすら削って走って、その結果得たものは何か、ただ心身のダメージだけが残った、そんなやり切れなさの気持ち。
ともかく、これが自分を未来に連れて行ってくれる道だとは到底思えない、そう思った。

 

とりあえず、何事も1回は挑戦してみて損は無いとして、
今回、世の中こういうプロジェクトもあるんだなと見識が広がったわけだけど、
これの2回目、3回目を求められるとしたら・・・??
(実際、はしごを外されそうになったし!)

それに気づいた今、この先何を指針にすれば良いだろう。
そのプロジェクトの後、いろいろ考えた。
社会人生活で何度目かの分岐点だった。
そんな日々から練りだした個人的な指針のひとつが、

自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめる。

だった。(※前述通り、これは本書の言葉)

何を選ぶかではなく、何を選ばないか

自分を弱体化しているものを見つけられるかどうか、
そうやって見つけたものをできるかぎり効率よく
人生から排除することができるかどうかにかかっている

何とも繊細な表現だ。
諸刃の剣とはそういうものだろう。

 

 

もし誰かが「あれ、やりたくないんですよね・・・」とこぼしているなら、その理由の主たるものが、自分にできるかどうか自信が無いという漠然とした不安・恐れであったり、その仕事の価値を理解していないままにあんなの無意味とか言っているような感じであれば(冒頭の昔の自分みたいに)、「何事も1回くらい挑戦してみると絶対学ぶものがあるよ!」って言う。
でも、やってみて苦痛を味わっているなら、「やらないようにした方がいいと思うよ」って言う。

 

この世にその仕事が存在するのは、ニーズがあるからだ。
なので、それを満たせば、ひとまずは給料が得られる。
しかし、何しろ、これから20年30年働いていくのだ。
その土台の辺りで、価値を見出せないとか、苦痛を味わって心身を削っていたりするならば、
長期的な成功はおぼつかない。
それは、沼地に城を築いていこうとするのと同じくらいナンセンスな話だと思うのだ。

 

毎度のことながら、そういうのって結局のところ、個人の選択だ。
どれだけ苦痛でも、年収や地位、名誉的な方を重視して、耐え続ける人もいるかもしれない。
それでうまくいく人もいるのかもしれない。

 

ともかく、自分は自分、人は人、ということで、上述の指針を得たわけだが、
いざそれを現実問題に適用していこうとするのは、なかなか難しい話だ。
とはいえ、短い人生、これじゃないと思ったものに貴重な時間と気力体力を使うことはもうできないので、難しい話だけど、取り組まなければならない。

 

ふと思ったけど、会社に対する不平不満をぼやくのは、恋人に対する不平不満をぼやくのに似ている。無意識に期待しているのだ、自分は何もせずに相手がうまい具合に自分の期待に沿った言動をしてくれることを。そんな都合の良い話はそうそうない。
ずば抜けた人材だったり、美女やイケメンだったら違うかもしれないけど。。(^_^;)

 

話が逸れた。
ともかく、この考えを大なり小なり適用していくことにした。
(昨年の話じゃなく、自分のつたない考えで練りだした数年前の話)

損して得取れ、だ。

自分が採用した基準で自分が決断したことなら、
それが長期的にも損するという結果になったとしても、後悔はしないものだ。
いや、逆だ。後悔しないことをまず決めるのだ。

 

何だかいろいろ書き連ねてしまった。
たったひとつのことなのに、全然簡単じゃない。。

人生の選択肢に関する話は難しい。
スタートを切った後に、それぞれのタイミングで知ることになる本レースの概要は、
ゴールは人それぞれ! タイムリミットも人それぞれ!
コースは自由です! はりきってどうぞ!
人生そもそもムチャ振りなんだから、最初からうまくいくことを期待しない方が、
案外、力を発揮できるかもね、とか思いつつ筆を置く。。(^_^;)

 

余談

本記事の話とは全然関係なく、第1章の「隠れた原則の一例 幸せな結婚生活について 知らなければならない たったひとつのこと」
なるほど!と思った。。