つづきです。
『減速思考 - デジタル時代を賢く生き抜く知恵』
(原著タイトルは、Future Minds)
(リチャード・ワトソン(著)、北川知子(翻訳)、徳間書店、2011)
- 作者: リチャード・ワトソン,北川知子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/09/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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■ 第3部 われわれに何ができるのか
第2部の内容を受けて、そのまとめのような感じで、
「網羅的ではないが」という前提のもと、具体的な10のアドバイスが述べられている。
ひとつだけ、ちょっとびっくりした言葉をピックアップ。
次々に情報を詰め込むことで安心しているのだ。
(神経生物学者の)レオ・ハルパは、大胆にもこう提案している。
一年に一度は、まったく何もしない日を作るべきだ。
絶対に誰とも会わず、会話もせず、電話にも出ず、eメールもなし。
本も新聞も雑誌も読まない。テレビもラジオも音楽もなし。
誰ともコンタクトせず、人が作り出したもの、書かれたもの、
話されるもの、記録されたものにも一切触れない。
あなたはまったく何もせずに二十四時間過ごしたことがあるだろうか。
試してみよう。
マジか!! そんなこと、考えたこともなかった。。(^_^;)
でもよくよく考えてみれば、例えば鎌倉時代に僧侶が瞑想をするとか、こういう話だよなあ。
これはちょっと興味深いと思った。
そのとき一体何がアタマに浮かんでくるのだろうかと。。
実際やってみるとしたら、どうやればできそうか??
自宅のこの狭い部屋では、絶対ムリ。
旅に出るのも無理。
いつだって物珍しさに歩き回って心地よく疲れて終わりになるってことを知っている。。
それはそれで全然良いことだけど、この目的には合わない。
中間として、普通に知っている街で、ホテルに泊まるとかはどうだろう?
ちょっと無理そう。
部屋の中にいたら発狂しそうだし、施設内をうろうろできそうにもないし、
じゃあ外に出て喫茶店とか、オレはそういうのムリ。。
そこで気づいた。
あれだ、今まで行く必要性も感じなかったので1回も訪れたことないけど、
普通に街中にある、日帰り温泉的なお風呂の施設だ!
ああいう場所では、誰も彼もがボーっとしているはず。
オレも気兼ねなく、ボーっとできそう。
館内広めでうろうろできればなお良し!
そして、思い出した。
気づけばもう7年近くも前のこと、九州は宮崎の高千穂に行ったのだった。
それも3泊で!
行って気づいた。それほどの時間をかけて滞在するほど、巡る場所は無いということに。。
でも、それが全然良かった。
直前まで激務だったのに、急に、鳥のさえずりやトラクターの音しか聞こえない山奥にやってきて、やることがほとんどないというあのギャップ。
確か神社まで往復する途中に、温泉施設を見つけ、昼間っからボーっと入浴したのだった。
あれは不思議な感覚だったなあ。
ともかく、機会を作ってぜひやってみたいと思った。。
最後に。
デジタルテクノロジーに宣戦布告しているつもりはない。
本質的に悪であるわけではない。
ただ、時と場所に応じて、機械ではなく、人間が優先されるべきだと言いたいだけなのだ。
(中略)
コンピューターは、われわれの思考を邪魔するのではなく、助けるツールのはずではないか。
テクノロジーこそが個人の力を増大させる。コンピューターを個人の手に。
そんな信念のもと邁進したスティーブ・ジョブズ。
そこから生まれたiPhoneが、「スクリーン中毒」を一層促し、
深い思考を奪っているとは、皮肉な話だ。
ブラックジョークが言いたいわけではない。
スマホによって自分の生活は本当に便利になった。
あんな薄っぺらい、手の平サイズの板で、よくぞこれだけのことができるものだと、
今でもしばしば感慨深くスマホを見つめてしまう。。
まさに魔法の板!
まさに子どもの頃に夢見た21世紀の道具!
とはいえ、思わぬ副作用も出てきた、ということで、
これをまたテクノロジーで解決しようだなんて、そういう話ではない気がする。
これは、人間側の選択の話じゃないかと。
お酒だって飲み続ければ中毒になる。
甘いものを食べ続ければ太ってしまう。
必要とする思考の種類によって、強い意志を持って使い分けよう。
というわけで、戒めとして、本書をしばらく手元に置いておきたい気持ち。
お経のようにぶつぶつ唱えると良いかも。。
ともかく、すっごい大げさに言うと、少なくとも今の自分には、何より一番重要で根源的なアドバイスがここに載っている印象がある。
誰が読んでも同じ気持ちになるとは全然思えないけど。。(^_^;)
とはいうものの、爆発し続けている情報の海に溺れないための、ひとつの重要な話が載っているのではと思う。
しかし、急がば回れとは、ものすごい重い言葉だな!としみじみ感じられた読後感だった。。
想像してみよう、自分の横を走り去っていく背中を見ながら、回り道しようとする自分の心境を!
それでも、急がば回れ、って!
最後まで話が逸れる。
ともかく、今年はいざ「禁スクリーン」の習慣だ!
そして、むずかしいことに取り組もう!
それこそが、人生を豊かにする一番の近道だ!
(と、いっときテンションを上げるのは容易いことだ。。地道に真剣にやろう。)