ちょうど、こんな特集が組まれていた。
『Software Design 2012年2月号』(技術評論社、2012)
Software Design (ソフトウェア デザイン) 2012年 02月号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/01/18
- メディア: 雑誌
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第1特集 IT市場の転換期を生き抜く
話の呼び水として、率直な感想を最初に。
なるほど、書いてあることは確かにどれも重要だ。
そして、基本的には10年前から言われ続けてきた話と同じだと思う。
もうちょっと言えば、コミュニケーションというキーワードが多くなっている点と、
T字形人材では不足、3本足の下駄形だ、というように、
必要とされる条件が一層厳しくなっている点が、差異かと。
上記2点の背景は、端的に言えば、相対的に易しいシステム化は、もう一通りやり終わったのだ、ということだと思っている。
やりたいことがこれまでよりさらに困難だったり、漠然としていたり、対象領域が広かったりすることから、ステークホルダーが多くなり、内容も多岐に渡り、そして、技術要素の種類も多くなる、ということから。
確かにその辺りの雰囲気は、自分も実際に感じる。
本特集記事を通して、いわゆるSI事業が念頭にあるような印象を受けた。
誰に話を聞いているのかを列挙すると、
- 2章:野村総研の部長
- 3章:HPのDBエンジニア
- 4章:人材コンサル企業の代表取締役
- 5章:パソナテックのCOO
- 6章:『30代を後悔しない50のリスト』の著者
- 7章:製造業→SI業→コミュニケーション研修業への転進された方
- 8章:人事・労務コンサル企業の代表取締役
- コラム1:ITベンチャーの代表取締役
- コラム2:ユーザー系SIerの執行役員
- コラム3:大塚商会のセンター長
- コラム4:SI企業から弁護士へ転進された方
簡単な内容紹介として、キーワードを列挙。
- 苦しくなるのは特徴のない中堅企業
- スピード感
- 間の埋め方・つなぎ方を考えられる人 (人対人、企業対企業)
- 人を束ねられる人
- シゴトを取ってこれる人
- 稼ぐ人!
というわけで、内容的には、あくまでも個人的には、おお!という新しい発見は無かった。
「転換期を」というタイトルだけど、内容的にはそこまでの飛躍は感じなかった。
文面は同じだけど、一昔前から見れば、それの指す意味が「そこまでできれば理想」というものから、「それができないとマズイ」というものへ変化している、そういう面があるかもしれない。
ともかく、内容的に目新しいわけではないが、だからといって自分がそれらをできていることを意味してなく、課題だらけという思いなので、非常に厳しい現状(及び延長線上の未来)を改めて突きつけられた、という読後感。
そういえば、ひとつこんな話が載っていた。食品業界の人からこう一喝されたと。
人口の減少やニーズの飽和はずっと前から織り込み済みで、その中で戦っていくために製品の提供鮮度向上など、血のにじむような思いで努力している。
IT業界は今まで何もしなくても仕事があったから努力していない。
それで市場が縮小しているとあわてているなんて認識が甘い!
なるほど・・・。
言い訳したい気持ちも出てくるけど、とはいえ、その内容も含めてのことなんだろう。
コンサルの人の本によくこんな話が載っているから。
「どの業界の人からも必ず聞く言葉がある。それは、『うちの業界は特殊なんです』」