確かAmazonで、これも買ってますとレコメンドされたのだったか、とてもおもしろそうに感じたので、目的の本と併せて購入。
で、先にそっちを読んだりとか、最近そういうことが多い。。(^_^;)
『明日のメディア - 3年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線』
(志村一隆、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2011)
明日のメディア 3年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 志村一隆
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/10/16
- メディア: 新書
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結論から最初に。僕にはとてもおもしろかった!
「明日のメディア」というタイトルだけ目にすると、近年よく見かけた、マスメディア・マス広告の凋落を謳う本がまたひとつ、と誤解しそうですが、硬派で丁寧で真摯な本という印象です。
終盤では、話は一転し、メディア側の話だけでなく、それらに取り囲まれて生きる私たち自身のありかたにまで言及されています。
まず最初に、
今回は数多あるメディアビジネスが、お互いに何を巡って競争しているのか?
その関係性を紐解くことに注力しています。
とあり、そのために、
一度インターネットを通る「情報」と呼ぶデータを全て踏まえた上で仕分けする必要がありそうです。
そのうえで、メディアビジネスとはどういうものなのか? その再定義をすべきでしょう。
と一段高く視座を置き、そして結論として、
メディア、コミュニケーションビジネスは融合し、
インフラ、ソーシャルメディア、有料コンテンツのプラットフォーム、コンテンツメーカー
という4者に再構成されるでしょう。
というのがこの本の骨組みです。
上記の結論をもう少し説明しているのが以下の文。
これからのインターネットビジネスは、コミュニケーションと一般的な情報コンテンツは無料化されて広告モデルとして運営され、高度なエンターテイメントだけが有料化されるでしょう。
そして、コミュニケーションのマネタイズを担うのは、グーグル、フェイスブックなどのソーシャルメディアになり、コンテンツをマネタイズするのは制作する企業自身ということになります。
これは、コンテンツ周辺で広告ビジネスをしていたメディアの出番が減り、通信キャリアの役割はインフラのみに再構築されることを意味するでしょう。
多種多様なプレイヤーがそれぞれの思惑で活発に動いている様子が丁寧に記されており、とてもおもしろかったなあと。
以下、個人的に興味深かった話をピンポイントで列挙。
- つかみの住所ラベルの話が、導入としてうまいなあ!
- 日本人にとっては基本的にテレビといえばあの「テレビ」だけであり、GoogleTVの話とかニュースで見ても全然ピンと来なかったけど、アメリカの映像ビジネスを取り巻く群雄割拠の状況が何となくイメージできた。。気づいたら嵐に巻き込まれているのか。
- 現状の課題はすぐに世界の何処かから解決ツールが発表されるので、現状から予測する未来よりも、自分の理想を掲げてその解決策を考える方が適切なのだという話。
- アドテクノロジーは、ソーシャルゲーム大手のZyngaがやっているらしい、パラメータ調整の話と同じことだ。
- リターゲティング広告の新しさは、広告主がメディアの「枠」ではなく、ユーザーに広告を出している点。
- プラットフォームが色々な機器への対応をしてくれるので、映像プロモーションのプラットフォーム先としてユーチューブやフェイスブックは貴重な存在なのだという話。
大きなビジネスの話が盛りだくさんでお腹いっぱいになってしまうけど、実は、そこかしこに、個人レベルでとても示唆に富む話が載っている印象で、これはもう1回じっくり読み直した方がいいな、そんな気持ちです。