昨年、Twitter上で平野氏(Twitter : dsHirano)の存在を知り、とても興味深い人だぞと、既刊『旅する会社』(平野 友康、アスキー、2007)も入手して読むなどした。その本では、平野氏の、情熱や(良い意味での)青さに、同じプログラミングに関わるシゴトなのにこうも違うのか!と驚き、そして、やっている業務内容は全然異なるけど、自分もそういう気持ちだなあと大いに共感した。そんな平野氏の新刊がこの本。
『ソーシャルメディアの夜明け - これからの時代を楽しく生きるためのヒント』
(平野 友康、メディアライフ、2011)
ソーシャルメディアの夜明け―これからの時代を楽しく生きるためのヒント
- 作者: 平野友康
- 出版社/メーカー: メディアライフ
- 発売日: 2012/01
- メディア: 単行本
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最初に、とても情けないことを告白してから書き始めないといけない。そうしないとウソになる。
それは、待ち望んで手に入れたはずのこの本を、最初の数十ページを読んだところで閉じた、ということ・・・。
何故か? それは、一言で表すなら、「2万人以上のフォロワーのいる環境だからそう思うんでしょう?」という気持ち。(※今はそう思っていません! すみません m(_ _)m )
TwitterやUstreamで如何に自分の生活が変わったかを力説している、本の出だしの姿は、(とても情熱的な人なのだという事前知識があったにも関わらず、)とても意地悪く例えるなら、富裕層の人が、「自家用ジェット、すげえよ! どこにでもすぐ行けて、素晴らしい風景をこの目でいくつも見れて、こんなの今まで不可能だったよ! 世界変わるよ!」 そう無邪気に語っているイメージに見えたのだった・・・。
「そうですか・・・持てる人は、世界、変わりそうですね・・・」
そんな気持ちになり、ページをめくる力がなくなって、本を閉じたのだった。
一体、私は何を望んでいたのだろう? 「ソーシャルメディアを使えば、そこから世界は一変! 誰にでもすぐにでも、でかいことができてビジネスになる!」 そんな甘い夢物語を言ってもらいたかったのか? そんなの無いことは分かってたでしょう? とまあ、そんな思いで、5日くらい間が空いて、再び読み始めたのだった。
すると、本の真ん中辺りで、ぴしゃりと言われた。
(前の文脈省略) それこそがソーシャルメディアなのだということを知らないと、すべての話は「平野だからできることだろう?」で終わってしまう
すみませんーっ!!
そして、これは後の章で、もう一度繰り返される。
今この本と向き合ってくれているあなたもそう思っているかもしれない。
そんなとき、僕はほんの少しだけ、寂しい気持ちになる。
そんなことはないんだよ、と伝えたくなる。
この本にはとても多くの事柄が書かれている。ソーシャルメディアというキーワードを幹にして、四方八方に、その情熱の枝葉が伸びていて、興味深いそれら一つひとつにコメントしていくと、この本と同程度の分量になってしまう!などと思ってしまうほどの熱さであり、厚さなのだが、私がこの本を読んで、今ひとつだけ一番ためになって良かったことを挙げるとすると、上記のメッセージを受け取れたこと。
実は、ソーシャルメディアに可能性を見たり、実際に自分の生活で役立ったりしているのを感じながらも、同時に、ちょっとだけシニカルに見る目があった。というのも、いわゆるニューリッチの誕生というような現象と同じで、ある程度、知名度を持った人たちが、自前で発信できるようになって、より一層その影響力を増していく、といった、新しいニューリッチの誕生を支えるツール、そんなイメージがあった、それがすべてではないにしろ。
でも、私がこの本から勝手に受け取ったメッセージは、
「そりゃ、現象としてはそういうのも当然あるよ。
でも、そういうのじゃないんだ、ソーシャルメディアの可能性は!」
じゃあ、どんなのだ?というもろもろは、本を読んで頂くとして。。
これからの時代のひとつひとつの花は小さいかもしれない。
でも全体としては、かつてと比べようもないくらい多くの才能が色とりどりに咲き乱れ、
僕らの目の前に広がる景色はかつての時代よりも何倍も美しく、多様性に満ちているはずだ。
それがイメージ。
いやいや、キレイすぎるイメージをもう一度見てるだけじゃないの?とか、
希望的観測過ぎるとか、やっぱり一部の人のみの話でしょ?とか、
シニカルに読もうと思えばいくらでもそう読める内容だけど、
そんな風に読むと、せっかくの芽を自分で摘んでしまいそうでもったいないな、
私としては、今読んでとても良かったな、そういう思いです。
話題が多岐に渡っていて、まだ全然消化できていませんが。。
というわけで、年末年始休暇、終わり!
引き続きどこまでブログ、更新できることやら。。